takahiroの歴史ブログ

個人メモ用です、内容の確認はしていませんので鵜呑みにしないでください

大宜都比売(おおげつひめ)が可愛そう

古事記上巻の比較的最初の方に出てくる女神がいる。

その名を、大宜都比売(オオゲツヒメ)という。須佐之男命が高天原で乱暴を働き怒られて追放されたときに、詫びとして何か供え物を差し出せと言われていた。

須佐之男命は大宜都比売に「何かお供え物を出してくれ」とお願いする。大宜都比売はそれに応えて、お供え物を出してくれるのだが、出てくる場所が、口から、鼻から、はたまたお尻からなのである。

須佐之男命は大宜都比売がお尻からお供え物を出していることを咎め、「自分の排泄物じゃないか、そんな汚いものをよくも!」と言って大宜都比売を殺してしまうのである。

いや確かに普通に考えるとお供え物を出している場所が場所だけに汚いと思ってしまう。出しているのが神様なのだから我々が出すものとは違うのだけれど。須佐之男命の感覚は分からないでもない。

でもだからといって自分がお供え物を出してくれと頼んで、それがいくら汚いところから出したとしても、殺すのはひどいのではないか。もちろん大宜都比売は神様だから殺すといっても、ワレワレが死ぬのとは違うのかもしれない。

そのあと須佐之男命は腹が減ったと言っている。なんとも身勝手な人なんじゃないかとも感じてしまった。

ちなみに、伊邪那美神が亡くなるとき、苦しみのあまり吐いた物から幾多もの神が生まれた。大宜都比売だけじゃないのである。

大宜都比売が亡くなると、殺された大宜都比売の頭からは蚕、目からは稲、耳からは粟、下腹部から麦、尻から大豆、さまざまな作物が生まれた。こらが地上の作物の種となった。それらは、神産巣日神(かみむずびのかみ)が回収したそうだ。

大宜都比売は亡くなってしまったけど、そこから生まれたもので私たちは生きている。

2022/1/26

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考えてみると神様って必ずしも女性のお腹から産まれるわけではないですね。天照大御神伊邪那岐の神の左目から生まれているし、須佐之男命は鼻から生まれている。